知床の自然を、海から感じてみませんか?
「知床の大自然を間近で体感したい」
そんなあなたにおすすめなのが、知床遊覧船です。
ただ景色を見るだけではありません。目の前に広がる断崖絶壁の海岸線、野生動物との出会い、そして手つかずの自然を、船の上からダイナミックに体感できるのがこの体験の魅力です。
とはいえ、「どのコースを選べばいいの?」「初心者でも楽しめる?」と迷う方も多いかもしれません。この記事では、知床遊覧船の代表的なコースや見どころ、乗船時の注意点までをわかりやすく紹介します。
季節ごとに表情を変える知床の自然。その圧倒的な美しさを、ぜひ海からの視点で味わってみてください。
知床遊覧船とは?
北海道の世界自然遺産「知床」を海から満喫できるのが、知床遊覧船です。陸からは近づけない断崖絶壁や滝、野生動物を間近に見られるのが最大の魅力。季節や天候によって景色や生き物の姿が変わるため、訪れるたびに新しい発見があります。ここでは、知床遊覧船の歴史、種類、料金などの基本情報について紹介します。
歴史

知床半島の海上観光は、1960年代から始まりました。当初は地元の漁船を利用して観光客を案内していましたが、その後、観光専用の遊覧船が導入され、安全性と快適さが向上しました。2005年には知床が世界自然遺産に登録され、観光客は世界中から訪れるようになりました。
運行会社
知床遊覧船は「大型船」と「小型船(クルーザー)」の2タイプがあり、運行会社によって特徴や航路、料金が異なります。
大型船「おーろら」(道東観光開発)

揺れが少なく、室内客室や売店、トイレなどが完備されており、長時間でも快適に過ごせます。
・知床岬航路:大人9,800円、小学生4,900円(約4時間)
・ルシャ湾航路:大人7,500円、小学生3,750円(約2時間15分)
・カムイワッカ滝航路:大人4,500円、小学生2,250円(約1時間30分)
小型船「ゴジラ岩観光」

小回りがきき、断崖や入江の近くまで接近可能。野生動物の視察に適しています。
・知床岬コース:大人13,000円、小学生6,500円(約3時間15分)
・ルシャコース:大人8,000円、小学生4,000円(約2時間)
・硫黄山コース:大人6,000円、小学生3,000円(約1時間)
小型クルーザー「FOX」

野生動物観察に特化した運航スタイルで、ガイドが双眼鏡を使って生き物を探しながら案内します。少人数制で、動物との遭遇率が高いのが魅力です。
・知床岬コース:大人8,300円、小学生4,150円(約3時間10分)
・ルシャコース:大人5,000円、小学生2,500円(約2時間)
・カムイワッカコース:大人3,000円、小学生1,500円(約1時間10分)
小型クルーザー「ドルフィン」

*注意*2024年3月31日をもって閉業しています。
各航路の見どころ
知床半島の雄大な自然を海から眺める遊覧船の旅は、季節や航路ごとに異なる表情を見せてくれます。滝や断崖、奇岩や湯けむりなど、見どころは盛りだくさんです。ここでは、代表的な航路とその見どころについて紹介します。
知床岬航路

知床半島の先端、知床岬までを巡る最長の航路です。世界自然遺産に登録された手つかずの原生自然を、海上から広く見渡すことができます。断崖絶壁が連なるダイナミックな景観や、半島特有の入り江、岬から広がるオホーツク海の大パノラマは圧巻です。航路が長いため、知床半島の全貌をじっくり堪能したい方におすすめです。
ルシャ航路

ルシャ航路は、知床半島の中部に位置するルシャ湾周辺を巡るコースです。急峻な崖と深い入り江が連なる景観の中で、野生動物が生息するエリアにも近づくことができます。特に、陸からのアクセスが難しいため、船からしか見られない原始的な海岸線の風景を楽しめます。比較的長めの航路ですが、自然観察を重視する方におすすめです。
カムイワッカの滝航路

カムイワッカ航路では、知床半島西側の海岸線を進み、カムイワッカの滝をはじめとする複数の滝を船上から間近に望むことができます。切り立った岩壁や入り江、自然が造り出した奇岩など、変化に富んだ景観が次々と現れます。航路の途中には海鳥が羽を休める岩場も点在し、季節ごとの表情が楽しめるのも魅力です。ダイナミックな自然の美しさを味わいたい方におすすめのクルーズです。
硫黄山航路

硫黄山航路では、知床半島南側の海岸線を進み、迫力ある断崖や滝、そして硫黄山の黄色く輝く山肌を間近で見ることができます。地熱活動によって生まれた独特の地形や、海岸線から見える温泉の湯けむりはこの航路ならではの光景です。比較的短時間で周遊できるため、限られた時間で知床の自然を堪能したい方に向いています。
自然や動物の魅力
知床遊覧船の最大の魅力は、陸からでは決して味わえない圧倒的な自然と、そこに暮らす多様な動物たちとの出会いです。海上から望む景色は、知床のダイナミックな地形や手つかずの生態系を一望できる特別な視点を与えてくれます。ここでは、船旅で出会える代表的な動植物や景観を詳しくご紹介します。
ヒグマやエゾシカなどの陸上生物

知床半島は、日本最大級のヒグマ生息地として知られ、特に春から秋にかけて海岸線付近での目撃が多くあります。船上からの観察は安全で、岸辺で獲物を探す様子や親子連れのヒグマが海辺を歩く光景など、迫力ある場面に出会える可能性があります。
また、陸上生物ではエゾシカも代表的な存在です。夏には青々とした草を食べ、秋には繁殖期のためオス同士が角をぶつけ合う姿が見られることもあります。
シャチやイルカなどの海洋生物

5〜7月頃、知床沖にはシャチの群れが現れます。家族単位で行動し、船の近くを泳ぎながら水面から高くジャンプする姿や、背びれが海面に突き出す光景は圧巻です。
また、ミンククジラが悠々と泳ぐ様子や、好奇心旺盛なカマイルカが船と並走し波間を跳ねる姿も人気の見どころです。運が良ければ、海鳥と魚を追いかけるイルカやシャチの「狩り」の瞬間に立ち会えることもあります。
オジロワシやオオワシなどの希少鳥類

冬になると、シベリア方面から渡ってくるオジロワシやオオワシが知床半島の空を舞います。翼を広げると2メートルを超える大きさで、その威厳ある飛翔は息をのむ美しさです。
オジロワシは淡い茶色と白い尾、オオワシは黒い翼と白い尾が特徴で、海上からは海岸の岩や流氷に止まる姿も観察できます。春や秋にはさまざまな渡り鳥が飛来し、バードウォッチングにも最適な環境です。
奇岩や断崖絶壁の絶景スポット

知床半島の海岸線は、数千年にわたる波や風の浸食によって作られた断崖や奇岩が連なります。象の形に見える「象岩」、崖から直接海へと流れ落ちる「カシュニの滝」など、ユニークで写真映えするスポットが点在しています。
無名の岩場や入り江にも、それぞれ独特の形や色彩があり、船旅ならではの視点で楽しめます。
季節ごとの見どころ
・春:流氷の名残と雪解けの滝が同時に見られ、動物たちが活動を再開する季節。ヒグマや渡り鳥の観察に最適です。
・夏:深い緑と青い海が広がり、シャチやイルカとの遭遇率が高まります。山々には高山植物も咲き誇ります。
・秋:紅葉が断崖を彩り、サケの遡上を狙うヒグマの姿が見られます。海鳥の渡りの時期でもあります。
・冬:流氷が海を覆い、オジロワシやオオワシが集まる幻想的な光景が広がります。雪化粧した断崖も見どころです。
季節ごとに異なる魅力があるため、何度訪れても新しい発見があります。
まとめ:海から見るとまた違う知床の魅力
今回は知床遊覧船による海を巡る冒険の旅について解説しました。
知床遊覧船の内容は以下のとおりです。
・知床遊覧船の歴史や運航会社の特徴や料金、所要時間
・代表的な航路ごとの見どころ
・野生動物や季節ごとの自然の魅力
知床遊覧船を理解していると、目的や季節に合った最適なクルーズ選びが効率的にできます。
「断崖絶壁を間近で見たい」「ヒグマやシャチに出会いたい」「短時間で楽しみたい」など、目的に応じた選択が可能になります。
ぜひ、知床の大自然を海から体感できる遊覧船ツアーを使って、他では味わえないダイナミックな体験をしてみてください。
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